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2006年6月14日 (水)

片頭痛の治し方

Fi879_0e 先日知り合いから、片頭痛が止まらなくなってしまい、何とかならないか相談を受けました。僕は2003年まで本郷の東大病院のの痛み(ペインクリニック)外来というところで外来を担当していましたし、痛みの専門医であるペインクリニック認定医という資格も持っています。



頭痛の原因は脳神経外科、外科、産婦人科、皮膚科、整形外科、神経内科、内科、心療内科など、多くの科をまたいでいるため、医師として診察がやりにくい分野です。つらい病気の一つですよね。


 頭痛は一般に症候性頭痛と機能性頭痛の2種類に大別されます。症候性頭痛は、主にくも膜下出血や脳出血などの脳外科領域の原疾患の症状の一つとして頭痛が現れるものです。これまで経験したことのない様な激しい頭痛や、交通事故などの外傷により始まった頭痛、麻痺などを伴う頭痛には画像診断が必要となります。一方機能性頭痛は、画像診断などで異常所見が現れない頭痛で、問診が重要となります。機能性頭痛が頭痛患者の9割以上を占めますが、大きく片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛に分類されます。また顔面の痛みを三叉神経痛といいます。[関連した日記LOG]


片頭痛
・ 多くは思春期以降に発症します。 家族の中に同じ様な頭痛を経験することがあります。
・ 頭痛が起こる前に前兆を伴うタイプ(典型的)と伴わないタイプ(普通型)があります。
・ ズキズキとした痛みが、一側性あるいは両側性に起こり吐き気を伴います。
・ 頭痛は数時間続き、女性では性周期が関係していることもあります。
・ ストレス、疲労や、チョコレート、チーズ、柑橘類の摂取が引き金になることがあります。


群発頭痛
・ 20~40歳の男性に多く発症します。 結膜の充血、流涙、鼻汁を伴います。
・ 痛みは一側性で、目の奥がえぐられるような激しい痛みです。
・ アルコールで痛みが強くなり、夜間痛みで目が覚めることもあります。
・ 一時間ほどの痛み発作が一日数回起こり数ヶ月間続きます。
・ 数年に一度の割合でこのような発作を繰り返します。


緊張型頭痛
・ 頭や首の筋肉が持続的に収縮し、血流が悪くなるために頭痛が起こります。
・ 痛みのために、さらに筋肉や血管が収縮し頭痛が激しくなります。(痛みの悪循環)
・ 頭が締め付けられるような持続性の痛みのことが多く、ズキズキ痛むこともあります。
・ 最も多い頭痛で、長時間コンピューターで作業をしている人に起こりやすい頭痛です。
・ 筋肉の血流を改善するために、首や肩を動かし、暖めることが予防、治療の基本です。
 顔面部の痛みは三叉神経痛と非定型顔面痛に分けることができます。治療も診断にしたがって行います。


三叉神経痛
・ 高齢者50歳以上の人に多い疾患です。
・ 顔のどちらか一側に起きる顔面痛です。
・ 短時間(数秒)の鋭い痛み(電気が走る)を繰り返します。
・ 過敏な部位がありそこに触れると痛みが起こります。
・ 会話、食事、洗顔などで痛みが起こります。


 そのときはまず大まかに上記の基準から病気の原因を大別します。そして片頭痛の診断がついた後、大学での外来の診療方針はこんなでした。


 まず、基本的な非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAID=エヌセイド)を使用します。

痛みには、細胞内で作られるシクロオキシゲナーゼ(COX)と呼ばれる酵素が関係しており、NSAIDはこの酵素の働きを妨げて痛みや炎症を抑える薬なのですが、 COXには、胃腸の粘膜を守るCOX1と、炎症を促すCOX2の2種類があるのです。NSAIDの多くは、両方の働きを抑えるので、胃腸が荒れやすくなる副作用があります。そこで、痛みに関係するCOX2だけを狙う「COX2阻害薬」が開発されました。確か1999年ごろだったと思います。「COX2阻害薬」は胃かいようの発生率が従来の薬に比べ半分ほどに減り、すばらしい薬と絶賛されたのですが、2000年には心筋梗塞や脳梗塞の危険性を高める可能性があるという発表がなされて、使用に注意が促されています。医師にご相談してご使用ください。


NSAIDに抵抗性の頭痛の場合、

ジヒデルゴットという薬を成人1回1mgを1日3回経口服用しながら、頭痛の発作が起こりそうなときにカフェルゴットという薬を飲むことをすすめました。

片頭痛は脳の血管が拡がることによって起こるわけですから、血管を収縮させる作用のあるエルゴタミン製剤が使用されます。エルゴタミン製剤は、血管の拡張を防ぐことによって結果的に痛みを抑えるくすりです。そのため、痛みが生じてから服用してもあまり効果は得られません。


これでも治らない場合は、イミググランという注射(後に錠剤が出ました)を使用するということをしていました。トリプタン系のくすりは、神経伝達物質・セロトニンと同じようなはたらきをし、脳の血管を収縮させて頭痛を抑える作用があるのです。この薬は痛みの極値でも使用でき、さらに処方時には痛みが全く消えるというすばらしい効能があるのですが、翌日には痛みが復活してしまうという弱点があり、飲み続けなければなりません。


 片頭痛が起こってしまったときには、光や音の刺激を避けて、暗い静かな場所で横になって休むことが大切です。ワインやチョコレートや寝不足が原因になることが多いので、そういった刺激を減らすことが大切です。

痛みがひどい場合は、痛む部分に冷却シートや氷まくら、冷たいタオルを当てて冷やすようにすると、いくぶん痛みがやわらぎます。人間の感覚受容体では、温痛覚、つまり痛みと温度感覚は非常に近い性質を持つのです。注射を刺すときに冷たい氷にふれてから刺すと、痛みを感じにくいのと同じです。

コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲み物をとると、頭痛が楽になるケースもみられます。これらは脳の血管を閉めますから。しかし、飲み過ぎると逆に頭痛を起こすこともあります。何でもやりすぎはいけないってことですよね。

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