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2006年9月 7日 (木)

臍帯血輸血

親王が誕生しましたね。

Bth1242_0b 親王の臍帯血が臍帯血バンクに登録されるということですが、臍帯血ってなんでしょうか?

臍帯血とは、胎盤と臍の緒に残った血液で、白血球、赤血球などに育っていく造血幹細胞が豊富に含まれています。赤ちゃんのへその緒や母親の胎盤にある血管中の血液には、通常の体内にある血液に比べると血液を造る能力を持つ、「造血幹細胞」という細胞が多く含まれています。

胎盤は少し前まで、医療廃棄物として処理されてましたが、現在はプラセンタとして滋養強壮・美容目的で再利用されるようになりました。

この臍帯血を患者に輸血するのが臍帯血移植です。通常、造血幹細胞の移植(骨髄移植)は、白血病の治療などに使われますが、将来的には、臓器の再生医療に使われる可能性があり、無限大のニーズがあります。

また、提供者の負担は骨髄移植とは比較にならないほど軽く、採取した臍帯血は冷凍保存が可能なので、必要な時に利用できます。臍帯血提供者が痛みを感じたり、経済的、時間的負担を強いられることはないのです。

血液の移植には、恋愛遺伝子の欄でも書いた、HLAという白血球の型の一致が重要ですが、臍帯血のリンパ球はまだ成熟していないので、「自己」と「他者」の区別を認識するシステムが出来上がっていないのです。ですから、移植した骨髄が、患者の細胞に対して拒絶反応を起こす移植片対宿主病(GVHD)が軽度で、骨髄移植に比べると、HLAが一部不一致でも移植可能なケースが多いのも利点です。

現在では、万が一、自分が血液病にかかったときに、自分の白血球のHLAに合致した臍帯血を確保しておき、冷凍してバンクに保存しておくといったビジネスも立ち上がっています。値段は保存料を含めて、一人当たり100万円前後ということですが、将来的には肝臓などの臓器再生医療にも使われる可能性もありますので、一部の富裕層には魅力的な話なのではないかと思います。こういったお問い合わせを実際に僕はクリニックでも受けたことがあります。僕に出来ることとしては、橋渡ししかないのですが…。いずれにしても、こうしたニーズは、この日本でも今後ますます高まって行くのでしょうね。

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