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2006年9月13日 (水)

男女産み分け

Fi1255_0e 新王の誕生で妊娠や出産についての話題が一気に沸騰していますね。僕も患者さんから連日さまざまな質問を受けます。今日はそのよく聞かれる質問のひとつ=男女産み分けについて書いてみましょう。

男と女はどのようにして決まるのでしょうか? これは受精するときの性染色体の組み合わせで決まります。卵子はX染色体1個しかないのですが、精子にはX染色体とY染色体を持つ2種類が存在します。これらが組み合わさると、

XX→女児
XY→男児

がそれぞれ生まれます。これは、高校の生物で習いましたよね。


ところがこのXとYは同条件ではないのです。まず、Y精子の数は、X精子の2倍存在します。女児になるX精子は、寿命が2~3日と長く、酸にも強いという特徴があるため酸性の膣内をくぐり抜けても、しっかりと子宮に到達し受精します。ところが男児になるY精子は、寿命が1日と短く、また酸性の液の中では動きが鈍くなります。このため、素早く子宮に到達しないと、力尽きて途中で死んでしまうのです。男女の生まれる確立は、ほぼ同じ(正確には男:女は1.05:1)となっています。昔は男児が弱かったので、5%ぐらいの確率で、生後に死亡したのですが、今は医療の進歩のおかげで、ほぼ全員が生き残るのです。ですから、同年代であれば、男の方が5%ほど多いといわれています。


日本では1983年頃からパーコール法(濃縮し、質の良い精子を分離する)というXとY染色体をもつ精子の分離と人工授精がおこなわれてきましたが、この方法を使って産み分けるのは、血友病などの劣勢伴性遺伝(X染色体に変異があり、このX染色体が1つしかない、男児に発症する)に属する病気を防ぐのが目的でした。この方法は精子を分離してX精子を抽出し人工授精する方法なのですが、特殊な婦人科でしか、行われていません。また、Y精子とX精子の電荷の違いに注目して電気泳動法を利用した産み分け方法もあります。どちらも成功率は70%ぐらいといわれています。


昔から指摘されている方法で、体全体のpHを変えていく方法があります。肉・魚を食べると体は酸性に、そして野菜中心にすると体はアルカリ性になるといわれていますので、女の子が欲しければ肉・魚を、男の子が欲しければ野菜を食べればいい事になります。この理論を利用して、膣内にピンクゼリー(酸性で、女の子が生まれやすい)をいれる方法や、男児にするためにリンカル(天然カルシウム)という薬を2ヶ月間処方するという方法もあります。


最近「男女産み分けについて相談に乗ります」と言う産婦人科も増えているとは聞きますが、医師同士で集まると倫理的な点や実際の実現率などについて、議論になります。僕の個人的意見としては、やはり自然に任せた方がいいのでは・・・と考えてしまいますが。


医師が介在せず自然に出来る方法はないのか? と患者さんに聞かれ、う~んとあれこれ悩んでいる最中ひとつ思い出したのですが、夫婦生活をエンジョイしている夫婦は男の子ができやすいという噂を聞いたことありませんか? これは俗説のように思われていましたが、理論的に、そして医学的に考えると、そうでもなさそうです。


膣内は通常はデーデルラント桿菌により、酸性(pH=4.5)に保たれています。しかし、女性がオルガスムスに達してくると、アルカリ性の分泌液(バルトリン腺液)を出して、膣内を徐々に中和されていきます。アルカリ度が強いとY精子が生き残りやすくなるので男児が生まれやすいというわけです。


人間のメカニズムは面白いですね。

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