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2007年5月28日 (月)

レーザーの歴史 その壱 レーザー発想の誕生と黎明期 

今日から数日間にわたって、自分の専門でもあるレーザーの歴史についてこのブログで触れたいと思います。今日はレーザーの理論の誕生と、脱毛レーザーについてです。

レーザー発想の誕生と黎明期

ノーベル物理学賞を受賞したアインシュタイン1920年代半ばに行った「誘導放出の研究」という論文がレーザー発想の原点です。

Index15_02 1954年に、CTownes(タウンズ)Schawlowらが、電波の一種のマイクロ波を強力にまっすぐに送り出す装置である水素レーザーを開発しました。1960年にはアメリカのT.H.メイマンがルビーの結晶を使い、“光を強力に直線的に送り出すレーザー発振装置を開発しました。これが近代レーザーの発祥です。1960年代にはレオン・ゴールドマンが世界初のルビーレーザーで子供の皮膚の血管腫の治療を行いました。彼はこの功績から「レーザー治療の父」と呼ばれています。  個々数十年は、皮膚科領域だけPhoto_11 ではなく、外科手術などの他の医学領域や、工学部門でレーザーが活躍する時代となりました。いわばレーザーの発展期と言えます。

レーザー脱毛器の誕生

1983年、ハーバード大学皮膚科ウェルマン皮膚研究所のロックス・アンダソンとJ.A.パリッシュが「Selective Photothermolysis(選択的光熱融解理論)」という論文を著名な科学雑誌サイエンスにアクセプト(採用)させました。

Covermed_2 この理論は、「光は、生体における特定の色素顆粒のみに光熱融解を起こさせる」というものでした。周囲組織には、なんら熱変化を与えることなく、茶色いメラニンや赤いヘモグロビンといった特定の色素細胞だけを選んで破壊するという理論です。この際、R.アンダソンのチームが、レーザーを使用して目の周りのアザの治療を行っていた時に、眉毛が生えてこなくなったという事実に着目しました。この事実から、「レーザーを使っての永久脱毛の可能性」を見出したとされています。

そして1996年、M.グロスマンによって、ルビーレーザーを用いた 世界初の脱毛機が誕生する運びとなったのです。このレーザーは、皮膚表皮にメラニンが少ない白人にのみ対応可能で、有色人種の皮膚の表面に含まれるメラニン色素に過剰反応してしまい、光が毛根まで届かなかったり表皮に火傷を負わせてしまうなどの結果を招きました。

東洋人における脱毛レーザーの応用については明日書きます。

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