パールとサイトンレーザーの違い
PEARL(パール)というレーザーが日本デビューして二ヶ月目に入りましたが、これがクリニックFではかなり評判が良いのです。
パールは先日のブログにも書きましたが、米国カルフォルニアのキュテラ社が満を持して開発したスキンリサーフェシングのレーザーです。
スキン(皮膚)・リサーフェシング(再び平らにする)
という言葉通り、特殊な波長のレーザーによって肌の薄皮をピーリングして、肌質をきめやかに、弾力を整える方法なのです。肌の感触的老化に対抗するための機器と言えます。
ひどい毛穴や、ニキビ跡に効果があるばかりではなく、何となく老化したくすんだ肌を撃退できます。
パールが登場する前は、この分野のレーザーの主流といえば、「サイトン」と呼ばれるエルビウムヤグレーザーでした。
先月から
「サイトンとパールの違いはなんですか?」
と患者さん数名から同じ質問を受けたので、ここに簡単にその違いをご紹介したいと思います。
サイトンとパールの最も大きな違いは、波長です。
サイトンは肌を非常に薄く蒸散させる能力と、すぐれたスキャナ機能を併せ持っており、白人の肌には非常に効果的でした。「レーザーの王様」という別名があるぐらいですから、その効果は推して知るべし。
しかしながら、サイトンに使われるエルビウムヤグの波長は血液を凝固させるものではありませんので、施術後に点状出血をしてしまうという弱点がありました。
点状出血をしてしまうと、施術後に色素が皮膚に残ってしまうことがあるのです。
僕がサイトンを購入するのにどうしても躊躇ってしまった理由はここにあります。
反対にパールの波長は肌をリサーフェシングした後に、きっちりと止血ができます。止血が終わりますので、ほぼ4日で肌が剥けて、新しい肌が出てくるのです。殻が剥けたようなかんじでこれは感動しますよ。そして肝心の効果はどうかと言えば、サイトンと遜色ない、場合によってはサイトンよりもより良い効果を得られるのです。
パールの場合、4日間というダウンタイムがあるのですが、僕の患者さんの中には、「DVDをたくさん借りてシリーズものドラマを見たわ」という休暇派や、「お化粧はできたので、普通に会社に出勤した」という、行動派など、その4日間に関してはいろいろな過ごし方があるようです。
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コメント
先生パールについて教えて下さい。100μm前後削ってもらうことは可能ですか?また可能の場合、ダウンタイムはどのくらいですか?よろしくお願いします。
投稿: akira | 2007年10月14日 (日) 08時13分
ご質問ありがとうございます。100μm前後削ることは可能か?ということですが、可能か不可能かと言えばそれは可能ですが、実際そこまで削っていいものか? というのはまた別の問題です。
どれくらいが適正なのか、削る深さに関しては診察して僕に決定させてください。100μm前後の深さだと部位によっては深くなりすぎて、反応性色素沈着症を引き起こす可能性もあります。
患者さんと長くお付き合いさせて頂く上で、効果とリスクのバランスを測ることも、レーザー治療では大変重要だと考えています。
投稿: 管理者 | 2007年10月14日 (日) 10時33分
はじめまして。
新しい情報が目白押しでいつも興味深く拝見しています。
パールについての質問なのですが、治療効果はにきび跡の色素沈着も対象となるのでしょうか?
またよろしければ色素沈着に最も適している治療機器を教えて頂ければ幸いです。
宜しくお願いします。
投稿: はる | 2007年10月15日 (月) 13時49分
はるさん
ご質問ありがとうございます。
色素沈着のご質問ですよね。
色素を取るレーザーなのですが、レーザーは茶色いメラニンに反応します。ですので私はお肌の“地の色調”によって使う機械を変えた方が良いと考えています。同じ日本人でも肌の白い人と、日焼けしている人がいますよね。欧米の教科書に書いてある通りのパワーで照射してしまうと、日本人の場合、やけどすることもあるのです。
クリニックFでは、肌の色調に合わせて数種類の機械を用意しています。まずは診察させていただいて、その方の肌質に合った治療機器を提案し、その施術を何度かやっていただくというようにしています。場合によっては内服薬と化粧品だけで対処する場合もあります。
ですから、「色素沈着に最も適している治療機器は?」という質問に対する答は、「患者さんの肌質によって違います」ということになりますね。
投稿: 管理者 | 2007年10月16日 (火) 13時48分
パールでアファームで取れなかった角栓が取れるということはありますか?教えてください。
投稿: うっぴー | 2007年10月20日 (土) 16時00分
うっぴーさん、こんにちは。
パールとアファームは作用が全く違うのですが、アファームもとてもよいレーザーですよ。アファームでも角栓は取れると思います。
アファームは、どのクリニックで施術を行ったのですか?どのくらいのパワーで何回ぐらい施術して取れなかったのでしょうか?
クリニックによってレーザーの設定方法が全く違うのです。レーザーの違いではなく、そのレーザーを患者さんのお肌に合わせた効果的な使い方をしているかどうかが、焦点になると思います。
うっぴーさんの角栓がどのような深さのものかわかりませんが、一般的には、照射回数を重ねれば、パールの方が皮を剥く効果は高いので、浅い角栓には効果が出せるとは思います。深い角栓だったらアファームや、フラクセル2を使用すべきだとおもいます。
投稿: 管理者 | 2007年10月20日 (土) 18時23分
以前他院でサイトンを受けた時に80μmまで削ったのですが、わずかな点状出血がみられました。
パールとサイトンの違いについてなのですが、逆に言ってしまえば、サイトンで点状出血しない程度(60μm前後?)の深さなら、どっちの機器でもほぼ同じダウンタイムと結果になるという事でしょうか?
投稿: sofa | 2008年8月15日 (金) 23時32分
sofaさん、今日は。
「パール」と「サイトン」とで、点状出血が出ない程度まで削ったら、ダウンタイムが同じなのか?
ということにお答えしますね。
答えは違います。「パール」の方がダウンタイムは、はるかに短いのです。
「パール」と「サイトン」の波長の最も大きな違いは、水に対する吸収特性の違いですので、「サイトン」の方が傷の治りは遅いです。
「サイトン」が出た当時は、世の中には「フラクセル」等のフラクショナルレーザーがありませんでした。
その当時は「サイトン」は、レーザーの王様と呼ばれるほど、肌を削ることにおいて最新鋭の技術をもった機械でしたが、2004年のフラクセル発売以降は、レーザーリサーフェシングの治療基準が全く変わってしまいました。
現在、フラクショナルレーザーがないクリニックでは、世界基準の治療は絶対にできません。これは断言できます。
そして、「パール」は「フラクセル」の発売後に、「フラクセル」の治療しにくい、つまり弱い点を意識しながら設計されたレーザーです。
つまり「サイトン」と「パール」は作られた時代背景が全く違うのです。
現在のレーザー機器がそろった病院では、どの治療においても、サイトン以上の結果を出す治療機器が他にあるということです。
それほど、このレーザー皮膚科医療分野の進化は著しいのです。
投稿: 管理者 | 2008年8月16日 (土) 10時12分